越川 房子
早稲田大学 文学学術院 教授

長谷 川洋介
東京マインドフルネスセンター センター長

戸部 浩美
東京大学大学院医学系研究科附属 グローバルナーシングリサーチセンター特任助教

ワークショップ概要
マインドフルネス認知療法(MBCT)
マインドフルネス認知療法は、マインドフルネス瞑想の実践を中核とする介入プログラムである。当初はうつ病の再発予防を目的として開発されたものであるが、現在はうつ病だけでなくさまざまな心の不調の改善や、より豊かに生きることを目指して用いられてきている。本講義では、マインドフルネス瞑想がどのように心の不調を改善するのか、そしてマインドフルネス瞑想諸技法がMBCTプログラムにおいて扱われる順序とその理由、についてお話しする。
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
ジョン・カバットジン氏が始めたマインドフルネスストレス低減法の概観を紹介します。
そして、2か月間にわたるマインドフルネスストレス低減法の実際をシェアしていきたいと思います。マインドフルネスストレス低減法が実際にどのようなもので、どのように参加者の方達が理解や実践を深めて自己を見つめ直していくのかをお伝えできればと思います。
家族のためのマインドフルネス −子どもと親のレジリエンスを高めるために−
出産・育児は喜びの経験である一方、大きなライフイベントでありDaily Hasslesの連続であることから、親はストレスをためやすく些細なことでストレス感情を子どもや伴侶にぶつけがちです。
体罰・暴言、夫婦間の暴力・暴言の目撃は子どもの脳を傷つけ、心身に長期的な悪影響を及ぼすことが分かっています。負の世代間伝達を断ち切り、親の心身の健康を守るためにも、子どもと親のレジリエンスを高めることは喫緊の課題です。そのための方策の一つとして、マインドフルネスを出産・育児に取り入れたマインドフルバーシングおよびマインドフルペアレンティングをご紹介します。
助産師であるNancy Bardache氏(UCSF Assistant Clinical Professor)が、MBSRをベースに開発したマインドフルバーシング(Mindful-based Childbirth and Parenting:MBCP)は、世界各地で実践・研究が進められ、産後うつや出産恐怖感などの主観的指標だけでなく、分娩時の医療介入、アプガー指数などの出産アウトカムといった客観的指標においてもその効果が証明されています。
臨床心理士として家族療法や認知行動療法等による家族支援に長年携わってきたアムステルダム大学のSusan Bogels教授によって、MBSR、MBCT、MSC(Mindfulness-based Self Compassion)をベースに開発されたマインドフルペアレンティング(Mindful parenting)もまた、世界で注目を集めつつあります。ADHD/ASDを持つ子ども、またその親に対して、マインドフルネスプログラムを並行して提供することにより、子どもの注意欠陥障がいや親のストレスが軽減されており、その取り組みは、2018年にBBCで紹介されました。Bogels 教授は、2018年にアムステルダム大学で開かれた国際マインドフルネス学会の学会長を務めました。
各プログラムの概要や効果、開発者のお二人から直接学ばせていただいたこと、広く普及させるための海外での取り組み例について簡単にご紹介し、今後の日本での展開を考える端緒とさせていただければ幸いです。
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