第18回 ワークショップ 詳細

第18回 東京認知行動療法アカデミー ワークショップ

◆日時◆
2010年 4月25日(日)
◆会場◆
早稲田国際会議場
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田 1-20-14
◆テーマ◆
「 ACT 」
申し込みは終了いたしました。


◆受付締切◆
2010年 4月20日(火) までにご希望の回のページにある 申し込みボタン にてお申し込みくださいませ。
◆当日受付可能な講座◆
ございません。締切日までにお申し込みくださいませ。
◆受講資格について◆
受講できるのは、原則として、医師、臨床心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、薬剤師、教員免許、学校心理士、産業カウンセラーの資格を持つ方か、心理学系の学部を卒業された方、心理系の大学院に在学中か修了された方です。

ACTのワークショップは3講座受講が必修となっております。
3講座を受講していただくことでACTの理解をより深めていただける構成になっております。
受講料は3講座で30,000円です。

伊藤先生のワークショップ
伊藤先生のワークショップは6時間の2コマとなります。
受講料は40,000円です。
事例の対象は限定しませんが,構造化されたCBTを継続的に実施している事例で(終結したものでも,継続中のものでも可),クライアントから報告の許可を得られているものに限ります。
事例提出希望者は,以下(※)について簡単にまとめたものを事務局にメールにて添付ファイル(ワードで1〜2枚程度)でご提出ください(締め切り 3月31日)。

※クライアントについて:年齢,性別,職業,家族関係など
※主訴,診断
※アセスメントの概要
※アセスメントに対する見立て(問題の同定,目標の設定)
※介入(技法の導入,実践,効果検証)
※ワークショップにて検討したいこと
 (アセスメントの途中までしか進んでいない事例でも構いません)

送信先はこちら:tokyocbtacademy@gmail.com

鈴木先生のワークショップ
症例提示してくださる方を募集します。
不安障害、またはうつ病の方へのCBTの実践症例を提示可能な方は事務局にメールで申し出てください。
応募のあった方の中から2件程度採用させていただきます。

遊佐先生のワークショップ
第17回に行われたものとほぼ同様の内容です。
今後、この内容を受講した方を対象に実習を行います。
6時間程度で小グループによるワークショップを予定しておりますので
ご興味のある方は是非今回の受講をしていただけますようお願いいたします。

◆受講費について◆
受講料は1科目ごとに1万円です。
ACTのワークショップ受講料は3講座で30,000円です。
伊藤先生のワークショップ受講料はは2コマ6時間で40,000円です。
◆受講者数について◆
各科目とも先着順に受け付け、定員に達した場合は〆切とさせていただきます。
◆証明書について◆
参加された方には、1科目ごとに、研修証明書を発行いたします。
詳しくは、「研修受講証明書発行のご案内」をご覧ください。

ワークショップ プログラム

◆第1会場◆
テーマ別ワークショップ「ACT」
番号 時間 講義タイトル
形式 [定員] 講師
1 10:00〜12:00 ACTは何から「できて」いるのか:ACTを始める前に(第1講)
ワークショップ
[定員50]
+[追加定員30]
[満席]
武藤 崇
立命館大学文学部 准教授
13:00〜15:00 ACTをまなぶ−機能的な臨床スキルの学び方(第2講)
ワークショップ
[定員50]
+[追加定員30]
[満席]
熊野 宏昭
早稲田大学人間科学学術院教授
15:30〜17:30 ACTのエビデンスと事例紹介(第3講)
ワークショップ
[定員50]
+[追加定員30]
[満席]
原井 宏明
なごやメンタルクリニック院長
◆第2会場◆
通常ワークショップ
番号 時間 講義タイトル
形式 [定員] 講師
2 09:30〜12:30 「症例から学ぶうつと不安の認知行動療法」
ワークショップ
[定員50]
[満席]
鈴木 伸一
早稲田大学人間科学学術院准教授

3 13:15〜16:15 感情調節障害の認知行動療法の最近の傾向:
弁証法的行動療法、スキーマ療法、Borderline Central などから学ぶこと
講義
[定員50]
[満席]
遊佐 安一郎
長谷川メンタルヘルス研究所所長
4 16:45〜19:45 PTSDの基礎と日常臨床に役に立つスキル
ワークショップ
講義
[定員30]
白川 美也子
昭和大学精神医学教室 特任助教
◆第3会場◆
事例検討ワークショップ
番号 時間 講義タイトル
形式 [定員] 講師
5 13:00〜19:30 事例検討ワークショップ:
認知行動療法グループスーパービジョン
ワークショップ
[定員15]
伊藤 絵美
洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 所長

講師略歴

武藤 崇
立命館大学文学部 准教授
◆略歴◆
1998年 筑波大学大学院博士課程心身障害研究科 修了
    博士(心身障害学)取得
筑波大学心身障害学系技官、助手を経て、
2001年4月から、現職。
2007年〜2008年 ネバダ大学リノ校 客員研究教授(ACTの主唱者であるS. C. Hayes博士の研究室に所属)

◆主な著書・訳書◆
アクセプタンス&コミットメント・セラピーの文脈:臨床行動分析におけるマインドフルな展開(2006, 編著)/ブレーン出版
行動分析(心理療法プリマーズ)(2007, 共編著)/ミネルヴァ書房
臨床行動分析のABC(2009, 共監訳)/日本評論社
ACTを実践する(2009, 共監訳)/星和書店
ACTをまなぶ(2009, 共監訳)/星和書店
アメリカ心理学会心理療法ビデオシ(DVD)リーズ日本語版 アクセプタンス&コミットメント・セラピー(2009, 監修)/JIP日本心理療法研究所,ほか。
◆所属学会等◆
日本行動分析学会(常任理事),日本対人援助学会(理事),日本不安障害学会(評議員)日本行動療法学会,日本心理学会,Association of Contextual Behavioral Science,Association for Behavior Analysis International,Association for Behavioral and Cognitive Therapies,ほか。
ワークショップ概要
「ACTは何から「できて」いるのか:ACTを始める前に(第1講)」
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)は「新次元」の認知/行動療法(cognitive and behavioral therapies; CBT)と言われている。
なぜ「新次元」と言われるのか。
それは,従来のCBTとは「でき方(成立の仕方)」が違うからである。そして,その点を理解・体得しておかないと,ACTを使いこなすことはできない(換言すれば,ACTのテクニックをモザイク的に使用しても「ACTにはならない」ことを意味する)。
そこで,本講義は,ACT成立の背景にまで立ち戻り,ACTの「キモ」を解説し,本シリーズの第2講,第3講のための準備を行い,かつ実際にACTを実践するための基礎を確立することを目的とする。
また,本講は,講義形式を基本的に採用するが,ACTの理解促進のために,数個の体験的エクササイズを盛り込む予定である。
推薦文献、参考文献
◆参考書◆
 武藤 崇・米山直樹(監訳)/松見淳子(監修),R. ランメロ & N. トールネケ(著) 臨床行動分析のABC 日本評論社 2009年
 熊野宏昭・武藤 崇(共編著) ACT(アクト)=ことばの力をスルリとかわす新次元の認知行動療法 こころのりんしょう あらかると, 28(1). 星和書店 2009年
◆ワークショップ講師歴◆
2008年11月 第34回日本行動療法学会/第8回日本認知療法学会ワークショップ
      「アクセプタンス&コミットメント・セラピー:その可能性の中心」
2009年3月 日本行動分析学会企画ワークショップ
      「ACTはどこにいるのか」
2009年10月 第35回日本行動療法学会/第9回日本認知療法学会ワークショップ
      「『マインドフルネス以外』のアクセプタンス&コミットメント・セラピー: ACTの『&』の意味とは何か」、ほか。
定員
50名 +[追加定員30] [満席]
対象
ACTの3講義を全て受講すること

熊野 宏昭
早稲田大学人間科学学術院教授
◆略歴◆
1985年 東京大学医学部卒。
1995年 東京大学博士(医学)取得。

東京大学心療内科医員、東北大学大学院医学系研究科人間行動学分野助手を経て、
2000年4月から、東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学(東京大学心療内科)助教授・准教授)、
2009年4月から、早稲田大学人間科学学術院教授。

 研究面では、治療の科学化を目指す臨床心理アセスメント、摂食障害およびパニック障害の病態生理・心理学的研究・携帯情報端末を用いた治療研究、リラクセーションや認知行動療法を含む非薬物介入の脳科学的研究が専門。
 臨床面では、パニック障害、軽症うつ病、摂食障害、生活習慣病などを対象に、薬物療法や面接治療に加え、赤坂クリニックや綾瀬駅前診療所の心理スタッフとも協力しながら、リラクセーション、認知行動療法、マインドフルネスなどを積極的に用いている。

◆主な著書・訳書◆
二十一世紀の自分探しプロジェクト/サンガ新書、ストレスに負けない生活/ちくま新書、メディチーナ・内科臨床に役立つ心療内科的アプローチ/医学書院(編集)、ほか。
◆所属学会等◆
日本行動療法学会常任理事、行動療法研究編集委員長、日本不安障害学会理事、日本循環器心身医学会理事、日本心身医学会評議員・常任編集委員、日本認知療法学会常任編集委員、日本心療内科学会評議員、日本うつ病学会評議員、日本摂食障害学会評議員、生活習慣病認知行動療法研究会幹事、ほか。
ワークショップ概要
「ACTをまなぶ」
ACTは、言葉の機能を行動分析的に解明する関係フレーム理論に基礎を置くことで、認知の変容をせずに、そのネガティブな影響力を削ぐことを可能にした。
その結果、治療の場では、認知の問題を自覚しながらもショートカットし、直接望ましい行動の練習にとりかかることができるようになった。
しかし、その反面、言葉(言語的理解)だけで言葉のネガティブな機能から抜け出すことはできないため、エクササイズやメタファーによる体験学習が重要になる。
その事情は、セラピストがACTを学ぶときも同じであり、いかに体験学習を可能にするかが決め手になる。
この時間では、クライエントとの対話内容を自分で考えたり、ケースフォーミュレーションの進め方を理解することで、「プロセスとしての治療者」と「観察者としての治療者」を鍛える方法を学ぶことを目標にする。
推薦文献、参考文献
熊野宏昭・高橋史・武藤崇(監訳),
ルオマJB・ヘイズSC・ウォルサーRD(著):
ACTをまなぶ−セラピストのための機能的な臨床スキル・トレーニング・マニュアル,星和書店,2009
定員
50名 +[追加定員30] [満席]
対象
ACTの3講義を全て受講すること

原井 宏明
なごやメンタルクリニック院長
◆略歴◆
1984年岐阜大学医学部卒業,ミシガン大学文学部に留学(文化人類学専攻)
1985年神戸大学精神科で研修。
1986年国立肥前療養所に就職,山上敏子先生から行動療法を学ぶ。
1998年国立菊池病院に転勤。精神科医長。うつ病や不安障害,薬物依存の専門外来と治験などを担当。2000,2001年にハワイ大学精神科アルコール薬物部門に留学。
2003年臨床研究部長。2007年診療部長。
2008年医療法人和楽会なごやメンタルクリニック院長
精神保健指定医,日本行動療法学会認定専門行動療法士,動機づけ面接トレーナー

◆主な著作・編集◆
あなたの人生をはじめるためのワークブック(ブレーン出版)(訳),
不安障害の臨床心理学(東京大学出版)(分担),
人はなぜ人を恐れるか(日本評論社)(分担),
マルチラテラル心理学(CD-ROM版)有斐閣)(分担),
臨床心理学キーワード(有斐閣)(分担),他
◆資格◆
医師 精神保健指定医 日本行動療法学会認定専門行動療法士 日本精神神経学会認定精神科専門医認定試験合格
Member of Motivational Interviewing Network of Trainers(Trained in Crete, 2004)
◆所属学会等◆
日本精神神経学会,日本心身医学会,日本行動療法学会,日本認知療法学会,日本行動科学学会,日本行動分析学会,日本アルコール薬物医学会American Society of Addiction Medicine, American Psychiatric Association, Association for Behavioral and Cognitive Therapies (Formerly Association for Advancement of Behavior Therapy), American Psychological Association, Motivational Interviewing Network of Trainers,日本児童青年期精神医学会
◆役職など◆
日本行動療法学会理事 学会誌「行動療法研究」副編集委員長
日本認知療法学会 学会誌「認知療法研究」編集委員
MiCampus BV adivisor  OCDの会 世話人

以下に略歴を載せています。
http://homepage1.nifty.com/hharai/contactinfo.htm
ワークショップ概要
「ACTのエビデンスと事例紹介」
ACTは実際にどれだけの効果があるのだろうか?行動分析学の目標は行動を予測し,制御することである。
それは,実際に結果が出せないならば「消える」ことでもある。
現代医学における結果判定はEBMに準じ,メタアナリシスなどの系統的レビューが花形である。
最初にACTにどのようなエビデンスがあるのかを提示する。
次に二つの事例を紹介する。症例1は大うつ病性障害慢性の男性である。症例2は気分変調性障害に処方薬乱用とパーソナリティー障害が合併した女性である。
どちらも既存の治療では十分な臨床的改善を期待できないことをエビデンスが示している。
二例に対して数ヶ月間に数回のACTカウンセリングを行った。うつ気分や対人スキルの拙さに対処するのではなく,自分に良いことは何か?将来どうしたいか?を繰り返し考え,実際の行動変化に結びつけるようにした。
事例の紹介とともに,実際に行ったエクサイズの中からいくつかを選び,参加者にも体験してもらえるようにする。
「苦悩の完全なるリスト」をカードに書く,「自分自身の葬儀に出席する」を予定している。
これまでの講師履歴
ワークショップ開催経歴:
動機づけ面接は2004年のWorld Congress of Behavior and Cognitive Therapiesのときから,毎年数回開催している。対象はメンタルヘルス関係者,保護観察所や裁判所関係者である。
強迫性障害はOCDの会主催の研修会にて毎年開催している。
定員
50名 +[追加定員30] [満席]
対象
ACTの3講義を全て受講すること

鈴木 伸一
早稲田大学人間科学学術院 准教授 博士(人間科学)
◆略歴◆
1992年3月 早稲田大学人間科学部 卒業
1995年7月 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所 心理士
1996年4月 足立医療生活協同組合綾瀬駅前診療所心療内科 心理士
2000年3月 早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程 修了
       博士(人間科学)取得
2000年4月 岡山県立大学保健福祉学部 講師
2003年4月 広島大学大学院心理臨床教育研究センター 助教授
2007年4月 早稲田大学人間科学学術院 准教授(現職)

◆所属学会等◆
日本行動療法学会理事(機関誌副編集委員長)、日本行動療法士会幹事、日本行動医学会(教育研修委員長)、日本循環器心身医学会理事、日本ストレス学会評議委員など
◆主な著作・編集◆
実践家のための認知行動療法テクニックガイド(北大路書房)、
慢性うつ病の精神療法:CBASPの理論と技法(医学書院)、
学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル(北大路書房)、
ストレス対処の心理・生理的反応に及ぼす影響に関する研究(風間書房)
ワークショップ概要
「症例から学ぶうつと不安の認知行動療法」
条件として、少なくとも1ケースはCBTの実践を経験している方
また、症例提示してくださる方を募集します。
不安障害、またはうつ病の方へのCBTの実践症例を提示可能な方はは申し出てください。
応募のあった方の中から2件程度採用させていただきます。
採用された方は、事前にPPT作成方法などメールにて相談させていただきます。
推薦文献、参考文献:
「医療心理学の新展開」 北大路書房
「実践家のための認知行動療法テクニックガイド」 北大路書房
「慢性うつ病の精神療法」 医学書院
「学校,職場,地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」,北大路書房
定員
50名 [満席]
対象
条件として、少なくとも1ケースはCBTの実践を経験している方が望ましい

遊佐 安一郎
長谷川メンタルヘルス研究所所長、北海道医療大学客員教授、東京大学非常勤講師、国際基督教大学非常勤講師。
元長谷川病院クリニカル・コーディネーター兼リハビリテーション部長、
◆略歴◆
1947年 福島県生まれ
1970年 上智大学英語学科卒業。国際基督教大学院教育心理学科に一時在籍後、ニューヨーク州立大学オールバニー校留学。
1977年 教育学博士号取得、Syracuse Developmental Center, Pilgrim Psychiatric Center, Kings Park Psychiatric Center等でPsychologistとして勤務
1990年 South Beach Psychiatric CenterでChief of Service として精神科病院での臨床管理に従事
1996年−2009年、長谷川病院クリ二カル・コーディネーター兼リハビリテーション部長
2003年より国際基督教大学非常勤講師
2005年−2007年 東京大学客員教授
2010年4月より長谷川メンタルヘルス研究所所長

◆著訳書◆
「DBT=弁証法的行動療法を学ぶ」こころの臨床、第6巻第4号、2007(星和書店)
「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」(DBT Workbook)(監訳・星和書店)
「臨床実践におけるDBT」(DBT in Clinical Practice)(監訳・星和書店)
「BPDの家族のための必須ガイド」(Essential Family Guide to BPD)(監訳・星和書店)
「援助技法の実際 精神科リハビリテーション」(星和書店)
「家族療法入門」(星和書店)、
「認知療法入門」(星和書店)
「別れからの再出発 見捨てられ傷ついた心をいやす5つのステップ」(監訳・星和書店)
「家族のための精神分裂病入門」(星和書店)他
◆所属学会役員◆
日本認知療法学会幹事、日本家族研究家族療法学会評議員、心理教育・家族教室ネットワーク幹事、
日本家族カウンセリング協会顧問、地域精神保健福祉機構(CMHBO)理事
日本精神神経学会、日本精神障害者リハビリテーション学会、American Psychological Association会員
ワークショップ概要
「感情調節障害の認知行動療法の最近の傾向:弁証法的行動療法、スキーマ療法、Borderline Centralなどから学ぶこと」
パーソナリティ障害や摂食障害や行為障害など、感情調節障害が顕著で衝動的な行動のために従来の心理療法、認知行動療法では難治だと考えられるような患者 層のために、最近では特に米国で臨床的工夫が進んできています。
境界性パーソナリティ障害の自傷、入院を減少させるという科学的なエビデンスを蓄積してき ている弁証法的行動療法、そして欧州で大規模なRCTによってパーソナリティ障害の改善に効果があるという研究報告が出された認知療法的アプローチである スキーマ療法などがその例として挙げられます。
また境界性パーソナリティ障害の家族のための電子媒体でのサポートグループで数十万人が参加しているといわ れるBorderline Centeralとそのような運動を通して得た知見をまとめたRandi Kregerによる一連の書物で展開されている家族支援アプローチにおいても認知行動療法的知見が活用されており、厳密に認知行動療法といえるかどうかは さておいて、臨床的サービスの発展の例として挙げられます。しかし日本ではそのような問題を持つ患者・クライエントのニーズに応えようとする限られた数の 臨床家が個別に苦労して工夫しているのが現状だと思います。
実際に境界性パーソナリティ障害の家族会に参加した際に、家族から医療機関に相談に行っても適 切な診断がつけられなかったり、境界性パーソナリティという診断がつけられたら「それは病気ではないから治療しない」と、たらいまわしにされたという苦労話を聞きました。
日本でもこのような患者、家族のニーズに応えられるような臨床的工夫、教育訓練システムの発展と普及が重要だとおもいます。
この研修では 境界性パーソナリティ障害を中心に、講師が重要だと考えているいくつかの認知行動的な理解と治療アプローチを紹介します。
推薦文献、参考文献:
「DBT=弁証法的行動療法を学ぶ」 こころの臨床、第6巻第4号、(星和書店) 2007年 遊佐安一郎編集
「境界性人格障害=BPD:はれものにさわるような毎日を過ごしている方々へ」 星和書店、 2004年 P.メイソン、R.クリーガー著(荒井秀樹、野村祐子、束原美和子訳)
「ここは私の場所じゃない:境界性人格障害からの回復」 星和書店、2007年、レイチェル・レイランド著(遊佐安一郎監訳)
「境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法」 誠信書房、2007年 マーシャ・リネハン著(大野裕監訳)
「弁証法的行動療法:思春期患者のための自殺予防マニュアル」 金剛出版、2008年 A.L.ミラー、J.H.レイサス、M.M.リネハン著(高橋祥友訳)
「弁証法的行動療法実践マニュアル」 金剛出版、2008年、マーシャ・リネハン著(小野和哉監訳)
「スキーマ療法:パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ」 金剛出版、2008年 ジェフリー・ヤング等著(伊藤絵美監訳)
定員
50名 [満席]
対象
パーソナリティ障害、摂食障害、情緒障害、行為障害など感情調節障害を持つ患者、クライエントとの臨床経験と認知行動療法の基礎知識がある方

白川 美也子
昭和大学精神医学教室 特任助教
◆略歴◆
1989年 浜松医科大学卒業
浜松市内のいくつかの単科・総合病院やクリニックでの勤務を経て
2000年 独立行政法人天竜病院精神科医長
2006年 浜松市保健福祉部保健福祉施設設置準備室副参事
2007年 浜松市精神保健福祉センター所長
2008年 国立精神・神経センター臨床研究基盤研究員
2010年 昭和大学精神医学教室、特任助教

◆資格◆
医師、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、臨床心理士、EMDRファシリテーター
◆著書・訳書◆
PTSD―人は傷つくとどうなるかー(分担)日本評論社
心的トラウマの理解とケア(分担)、じほう社
無意識を活かす現代心理療法の実践と展開―メタファー・トランス・リソースー(分担)星和書店
埋葬と亡霊(分担)人文書院
子どもの精神医学(分担)金芳堂
犯罪被害者のメンタルヘルス(分担)誠信書房、エランベルジェ著作集2(共訳)みすず書房
トラウマティック・ストレス(共訳)誠信書房
被虐待児のアートセラピー(共訳)、金剛出版
トラウマを乗り越えるためのセルフヘルプガイド(監訳)河出書房
DV・虐待にさらされた子どもの心を癒すー母親と支援者のためのガイド(監訳)明石書店など
◆所属学会等◆
日本トラウマティックストレス学会理事、NPO法人女性の安全と健康のための支援教育センター理事、日本EMDR学会理事、静岡県警犯罪被害者対策アドバイザー、日本全国乳児福祉協議会協議員など
◆備考◆
専門は精神療法、女性と子どもの精神医学、特にPTSDや複雑性PTSD(DESNOS)、解離性障害など外傷性精神障害全般。
臨床では、子どもには、幼児まではトラウマ焦点化プレイセラピー、学童からはトラウマ焦点化認知行動療法とEMDRの組み合わせ、成人には認知行動療法をベースにEMDRと自我状態療法を組み合わせた技法を使い、解離とトラウマを同時に安全に扱う技法を好む。
社会福祉領域で抱えられている多くの虐待をうけた子どもや成人サバイバーが問題を山積した末に受診に至る以前に関わることができる方法を模索し、臨床研究を学び始める。
乳児院や出産を控えた女性保護施設利用者との関わりから妊娠中の母親の精神状態や早期の母子相互関係、アウトカムとしての乳幼児の発達や状態に興味をもち昭和大学で行われている出生コホートに参加。
また子どものためのトラウマ焦点化認知行動療法の開発者(Cohen, J., Mannariino, A., Deblinger, E.)らから指導をうけ、子どもの虐待防止センターにおいて、トラウマ焦点化認知行動療法をベースにアートやサイコドラマを取り入れた性的虐待をうけた施設に在住する女児のグループ療法のトライアルをプレイセラピスト、ソーシャルワーカーと協働で行っている。
ワークショップ概要
「PTSDの基礎と日常臨床に役に立つスキル」
「PTSDは診られないから専門の先生へ」といわれた、といって紹介をうけることが今も後をたちません。どんな初心の先生でも「うつは診られないから専門の先生へ」とは言わないはずです。PTSDを診る怖さの背後に、いわゆるトラウマ記憶の存在があります。トラウマ記憶は地雷原で、それを安全に処理するのが、トラウマ焦点化技法の骨子になります。しかし実際の臨床では、そこにいたるまでの心理教育による下準備や、同時並行で日常における症状のコントロールと生活再建が必須になります。覆いはがしの作業には適切なペーシングも必要です。それらをすべて上手くパッケージにしたのが、長時間暴露法(以下PE : Prolonged Exposure、子どものトラウマ焦点化認知行動療法(以下TF-CBT)、眼球運動による脱感作と再処理法(以下EMDR :Eye Movement Desensitization and Reprocessing)など、いわゆるエビデンスがあるといわれている各種の治療法なのではないでしょうか。しかし、それらを日常診療で「正しく」行うのには、時間も装備も足りないのが私たちの実情です。
 しかし、逆に考えればこうなります。トラウマ焦点化技法(Trauma Focused Technique)はなぜ必要か、何がその本質なのか、どのようなときにはむしろ行わない方がよいのか、行うのであればどういうふうに行えばよいのかというコツさえわかれば、日常臨床でPTSDを診ることはよりたやすいことになるはずです。
 講義の前半では、PTSDの基礎的知識から始め、主要三症状がどのようなメカニズムで起きているのか、患者さんは、何故、どのように苦しいのかということを実感として理解できるようにお伝えします。これは症状に翻弄されている患者さんに心理教育をうまく行うためのベースとなります。次にNICE, APA, ISTSSなどの国際的に通用するPTSD治療のガイドラインの内容を簡単に紹介します。そしてエビデンスが認められている治療法のうち、私が実際に学んだPE、EMDR、TF-CBTを例にとり、暴露療法、認知療法、行動療法、その他の要素が、どのような構造のなかに納められているかを簡単にみていきます。
 講義の後半はワークショップです。私が日常臨床で、初診時1時間のうちに行う心理教育の内容、お渡しするその日から使える症状コントロールのシート等を公開します。また架空ケースを元に症状のチェックリストを参加者同士でとりあったり、Dolan によるFuture Time Lineという技法を使用して日常生活における課題構成(one small step)の練習をしたりします。呼吸法、筋リラクセーション、外界集中型自己催眠技法(54321法)、マインドフルネス瞑想などのうち、時間が許す限りいくつかを実際に体験してもらいます。日常臨床に役立つ小さなスキルをおみやげにお持ち帰りください。

尚、当然のことですが、この講義をもってPE、EMDR、TF-CBTを学んだことにはならず、深く学びたい人のためには正規のトレーニングのための連絡先を紹介します。また、期日は未定ですが、「複雑性PTSD(DESNOS)の基礎と日常臨床に役立つスキル」という講義を予定しており、本講義はそれに参加するための前提コースとさせていただきます。
参考文献:
心的トラウマの理解とケア、金吉晴編、じほう社
犯罪被害者のメンタルヘルス、小西聖子編、誠信書房
PTSD治療ガイドライン、飛鳥井望・石井朝子・西園文訳、金剛出版
定員
30名
対象
PTSD臨床で困っている、困ったことがある人、もしくは、PTSDを診る自信がまだあまりない人(初心者コースです)

伊藤 絵美
洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 所長
文京学院大学大学院 人間学研究科 客員教授
◆略歴◆
慶應義塾大学 文学部 人間関係学科 心理学専攻卒業
同大学大学院 社会学研究科 社会学専攻 博士課程満期退学
博士(社会学)
臨床心理士・精神保健福祉士

◆著書・訳書◆
認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ(星和書店)/認知療法・認知行動療法 面接の実際(星和書店)/認知療法実践ガイド(共訳)(星和書店)/抑うつの臨床心理学(分担執筆)(東京大学出版会)/認知療法全技法ガイド(共訳)(星和書店)/強迫性障害治療ハンドブック(分担執筆)(金剛出版)/認知療法ケースブック(分担執筆)(星和書店)/『認知療法実践ガイド:困難事例編』(共訳,星和書店)/ 『認知行動療法,べてる式。』(共著,医学書院)/『事例で学ぶ認知行動療法』(誠信書房)/『スキーマ療法』(監訳)(金剛出版)/『認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成』(監訳)(星和書店)/『認知療法・認知行動療法 事例検討ワークショップ』(1)(2)(星和書店)など。
◆所属学会役員◆
日本認知療法学会(幹事)/日本ストレス学会(評議員)/日本心理臨床学会/日本健康心理学会/日本心理学会/日本カウンセリング学会
ワークショップ概要
「事例検討ワークショップ:認知行動療法グループスーパービジョン」
本ワークショップでは,グループスーパービジョン形式で認知行動療法(CBT)の実際の事例を皆で検討します。

「インテーク→アセスメント→問題の同定と目標の設定→技法の選択と実践→効果の検証」という
ケースフォーミュレーションに則った流れでCBTをどのように効果的に展開できるか,という大きなテーマのもとで事例の検討を行います。
つきましては参加希望者の中から事例を募集いたします。
事例の対象は限定しませんが,構造化されたCBTを継続的に実施している事例で(終結したものでも,継続中のものでも可),クライアントから報告の許可を得られているものに限ります。

事例提出希望者は,以下(※)について簡単にまとめたものを事務局にメールにて添付ファイル(ワードで1〜2枚程度)ご提出ください(締め切り 3月31日)。
メールアドレス・・tokyocbtacademy@gmail.com

希望者が多い場合は,講師の方で検討する事例を選択いたしますのでご了承ください。
また事例提供者には当日事例についてレジュメを提出していただきますのでお手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。

※事例は以下の点を含めておまとめください。

・クライアントについて:年齢,性別,職業,家族関係など
・主訴,診断
・アセスメントの概要
・アセスメントに対する見立て(問題の同定,目標の設定)
・介入(技法の導入,実践,効果検証)
・ワークショップにて検討したいこと
(アセスメントの途中までしか進んでいない事例でも構いません)
推薦文献、参考文献:
伊藤絵美 『認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ』(星和書店)
伊藤絵美 他『認知療法・認知行動療法 事例検討ワークショップ』(1)(2)(星和書店)
伊藤絵美 『事例で学ぶ認知行動療法』(誠信書房)
アーサー・ネズ他 伊藤絵美(監訳)
『認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成』(星和書店)
定員
15名
対象
初級以上 (東京認知行動療法アカデミーで8講座以上受講経験がある方)
注意点
伊藤先生のワークショップは2コマ6時間で40,000円です。
申し込みは終了いたしました。
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